鼻からの胃カメラ検査
鼻から細い内視鏡を挿入する経鼻内視鏡検査では、内視鏡が舌の根元に触れることなく進みますので、嘔吐反射が起こりにくくなります。また、麻酔は鼻にだけかけますので、検査中は医師や看護師と会話ができ、安心感が高まります。以前は経口内視鏡に比べ画像が粗い印象でしたが、最近の技術進歩により、画像の鮮明さも経口内視鏡と変わらない程度となっております。
胃カメラ検査
上部消化管内視鏡検査とは、一般に「胃カメラ」と呼ばれている検査のことで、口や鼻から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸まで挿入し、各臓器の内腔粘膜を観察します。上部消化管(食道・胃・十二指腸)を直接観察できるため、胃バリウム検査に比べて微小な病変の発見に優れています。検査では必要に応じて内視鏡先端部から出てくる鉗子(かんし)を操作し、病理診断用の組織を採取したり(生検)、誤飲した異物を取り出したりすることもあります。組織採取などが特になければ、検査時間は5-10分程度です。胃カメラで最も大事なことは胃癌や食道癌、十二指腸癌などの悪性腫瘍を早期に発見することですが、他にもポリープ、ピロリ菌感染性胃炎、逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍、胃アニサキス症など、胃バリウム検査ではわかりにくい様々な病気まで発見することができます。
胃癌に関しては、定期的に胃カメラを受けていただくことで、胃癌での死亡率を60%以上低下(胃バリウム検査では30%程度)させられると言われています(胃バリウム検査では30%以上の低下率)。当院では胃カメラでの定期的な検査をお勧めし、地域の方々の上部消化管疾患の早期発見と治療に貢献したいと考えております。胃カメラは辛くて怖いというイメージを持たれる方が多いのも事実ですが、現在は、医療技術や内視鏡機器が進歩し、苦痛を和らげる様々な選択肢があります。当院では、苦痛なく安心して内視鏡検査を受けていただけるよう様々な工夫を施し、患者さん一人ひとりにあった検査方法をご提案させていただきますのでお気軽にご相談ください。
鎮静剤+細い内視鏡+内視鏡専門医・消化器病専門医による検査=苦痛の軽減・正確な診断
当院では消化器内視鏡専門医・消化器病専門医による胃カメラを実施しており、可能な限り苦痛を少なく、かつ病変の見落としがないように務めております。
検査を受ける際の苦痛がなるべく少なくなるように、経鼻内視鏡という鼻から挿入する細いカメラでの検査を行っております。以前はカメラを細くすると画質が落ちてしまっていましたが、技術の進歩により現代では経鼻内視鏡でも経口内視鏡に劣らない画質に近づいてきております。また、鼻から挿入することで、舌の付け根を通らないため嘔吐反射が起こりやすい部位オエっとなる部分をよけてカメラを挿入することができます。それでも検査がしんどい、怖いという方には、少量の鎮静剤(点滴の眠り薬)を使用して眠っている間に検査をすることも可能ですので、気軽にご相談ください。
鼻から細い内視鏡を挿入する経鼻内視鏡検査では、内視鏡が舌の根元に触れることなく進みますので、嘔吐反射が起こりにくくなります。また、麻酔は鼻にだけかけますので、検査中は医師や看護師と会話ができ、安心感が高まります。以前は経口内視鏡に比べ画像が粗い印象でしたが、最近の技術進歩により、画像の鮮明さも経口内視鏡と変わらない程度となっております。
当院では鎮静剤(静脈麻酔)を使用することで眠ったまま検査を受けることも可能です。鎮静剤の効き具合は多少の個人差がありますが、眠るまでいかなくとも、筋肉が弛緩してリラックスできるというメリットもあります。鎮静剤を使用すれば、口から内視鏡を挿入することもできます。通常の経口内視鏡より細いカメラで挿入しますので、口からの挿入でも非常に楽に検査を受けていただけます。また、鼻がつまっている方や、鼻からの挿入が苦手な方でも検査が可能です。
検査終了後は、鎮静剤の効果が切れるまでしばらくリクライニングチェアで休憩していただくため、安心して帰宅することができます。(鎮静剤を使用した場合、自動車、バイク、自転車などの運転はできませんので来院方法にはご注意ください)。
利点
内視鏡が舌のつけ根に触れないため、経口内視鏡に比べて嘔吐反射が少なく、挿入に苦痛を伴わないことが多いです。
嘔吐反射が少ない事により、検査中に呼吸に合わせて観察することが可能となるため、喉をより詳しく観察する場合、精度を高めることができます。
検査中に会話が可能で安心感が高まります。
検査後、飲食再開までの時間が経口内視鏡の半分程度と短く、日常生活に及ぼす影響が少なくすみます。
留意点
鼻腔が狭い方の場合、鼻出血をきたす可能性があります。
鼻腔が狭く挿入が困難と判断した場合、実施できないことがあります。
鎮静剤を使用しない経口内視鏡検査に比べて、検査時間が若干長くなります。
・何かしらの症状がある方
✔胸やけ、胸のつかえ、のどの違和感
✔胃もたれ、食欲不振、上腹部やみぞおちの痛み(胃痛、心窩部痛)
✔黄水(おうすい:嘔吐のとき、胃から出る胆汁を含んだ黄色い液)がこみ上げてくる、口の中が酸っぱい、苦い
✔貧血がある、黒い便が出た
✔過去に胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがある
・40歳以上で一度も胃カメラを受けたことがない方
40歳を越えると、一般的に胃癌の罹患率が上昇するといわれています。
胃癌は早期発見・早期治療が何より重要です。年に一度は、胃カメラをご検討ください。
・検診や人間ドックの胃バリウム検査で異常を指摘された方
・健康診断などでピロリ菌を指摘されたことがある方
・血縁者に胃癌になった人がいる方
当院では予約は受診、電話、Webからの予約も可能です。Webから予約された方は、検査前に問診をさせていただきます。
夕食は前日の21時までに済ませてください。その後は検査まで絶食です。
ご自身の服のままストレッチャーに横になっていただきます。
通常鼻からカメラを挿入して検査を行いますが、鼻の通りが悪い場合は口から挿入する場合もあります。
※検査時間:5~10分程度
検査終了後は検査結果について医師から説明をさせていただきます。(検査終了後はリカバリールームで休憩いただき、その後、医師より検査結果について説明があります。鎮静剤を使用しない場合はリカバリールームでの休憩は必要ありません)。
鎮静剤を使用した場合、車・バイク・自転車の運転はその日1日間はできませんのでご注意ください。
1割負担 | 3割負担 | |
---|---|---|
胃カメラ | 1,500~4,000円程度 | 5,000~12,000円程度 |
(税込)
※術前検査の有無、麻酔の有無、生検(組織をつまんで細胞1個1個を病理的に判断する検査)の有無で値段は変動します。
保険診療のためどこの医療機関を受けても同様の費用となります。
但し、使用する薬剤によって一部費用は変動します。
検査前日は、体調を整えるため早めの就寝を心がけてください。
鎮静剤を使用された方は、検査後、自転車やバイク、車の運転はできません。どなたかの付き添い、お迎えの手配が必要です。
経口内視鏡検査では、検査後1時間程度は咽頭麻酔が効いた状態になります。飲水や食事は誤嚥を起こす可能性がありますので、1時間以上経過してからとるようにしてください。
組織生検を行った場合、出血予防のため当日の飲酒は禁止です。激しい運動やサウナ、長時間の入浴も控えていただき、軽いシャワーなどでお済ませください。
検査後の食事制限はありませんが、なるべく消化の良い物をとるようにしてください。
胃カメラ検査を受ける方は下記の説明書・同意書をお読みください。
こちらよりダウンロードをお願いいたします。