当院では、鎮静剤を使用した検査に対応しており、眠った状態で検査を受けていただくことができます。大腸カメラ検査では腸の中にガスを入れるためお腹の張りや吐き気などが苦しく検査に抵抗がある方も多いですが、鎮静剤を使用することでそのような症状が緩和できます(後述)。
当院では体内に吸収の早い炭酸ガスを使用しており、検査による腹部の張りを軽減できます(後述)。
他にも、当院では富士フイルム社製の内視鏡を採用しております。富士フイルム社製のスコープは、オリンパス社製のスコープと比べて柔らかい特徴があります。そのため、挿入時に大腸の曲がり角も優しく挿入することができ、疼痛の軽減が期待できます。また、当院のスコープにはBLI(Blue Laser Imaging)・拡大ズーム機能がついており、ポリープ表面の血管や構造を細かく観察することができます。表面の血管や構造を観察することで、切除が必要なポリープかどうかを見極めることができます。
前処置の工夫
大腸の中には普段は便が貯留しているため、内視鏡検査前には腸管洗浄液(下剤)によって大腸内をきれいにする必要があります。この下剤による前処置が、大腸内視鏡が大変といわれる要因の一つにもなっています。当院では少しでも楽な環境、楽な方法で前処置を行っていただけるように工夫をしています。
一般的に腸管洗浄は、検査当日に2リットルもの下剤を服用していただく必要がありますが、当院では、半分程度で高い洗浄効果が得られる新しい下剤(モビプレップ)を採用しております。その分、飲む量に対する負担を軽減できます。
下剤を飲むことが困難な方には、ブラウン変法というモビプレップを服用しない方法も使用して検査を受けていただけます。ブラウン変法では、検査前日は昼から絶食していただき、眠る前に通常の下剤を内服していただきます。検査当日モビプレップを服用せず、検査前に浣腸を行い、そのまま検査を行います。ブラウン変法のデメリットとしては、洗浄力が弱く残便が多くなるため小さな病変が見えなくなったり、検査時間が長くなることがあります。当院では、ジェット水流による内視鏡からの送水で、大腸内を洗いながら観察し、極力見落としを少なくできるよう工夫しております。
眠った状態での検査
当院では鎮静剤(静脈麻酔)を使用することで眠ったまま検査を受けることも可能です。大腸カメラでは挿入時に疼痛を感じられたり、空気を入れるためお腹の張りや吐き気などで苦しんでしまう方もいらっしゃいます。しかし、鎮静剤を使用することで、そのような症状を緩和することができます。また、鎮静剤の効き具合は多少の個人差がありますが、眠るまでいかなくとも、筋肉が弛緩してリラックスできるというメリットもあります。
検査終了後は、鎮静剤の効果が切れるまでしばらくリクライニングチェアで休憩していただくため、安心して帰宅することができます。(鎮静剤を使用した場合、自動車、バイク、自転車などの運転はできませんので来院方法にはご注意ください)。
鎮静剤が強く推奨される方
- 大腸カメラを初めて受ける方
- 大腸カメラに不安や恐怖心を強く持たれている方
- 以前受けた大腸カメラで、強い痛みや苦痛を経験された方
- 腹部の手術をされたことがある方(腸が癒着している可能性があり、強い痛みを生じることがあります)
炭酸ガスを用いた苦痛の少ない内視鏡
大腸カメラでは、病変の見落としがないように空気を入れて内腔を広げて観察します。その際の空気が中々排泄されず、お腹の張り感や痛み、吐き気などの原因になることがあります。当院では、このような検査後のお腹の張りによる苦痛を軽減するため、空気に比べて腸管内で速やかに吸収される(空気の200倍以上)炭酸ガスを用いて検査を行います。これにより検査後の苦痛を大幅に軽減することが可能となります。
※炭酸ガスは体内に吸収されても身体に害を及ぼすものではありません。
軸保持短縮法による疼痛の少ない挿入方法
大腸カメラの挿入法にはS状結腸でループを作成して曲がり角を越えて挿入するループ形成法と、腸のヒダを手繰り寄せながらループを形成しないように挿入する軸保持短縮法があります。軸保持短縮法はループ形成法に比べ、圧倒的に疼痛が少なく挿入できます。ただ、術後の方や便秘がひどい方、腸が長い方などは軸保持短縮法が困難な場合も多く、習得にも相当例の大腸カメラ経験が必要となります。熟練した内視鏡医でも軸保持短縮法で挿入できる方は6割程度と言われます。当院ではまず軸保持短縮法での挿入を試み、極力苦痛の少ない内視鏡検査をできるよう心がけております。
感染症に十分配慮した安心できる内視鏡検査
当院の内視鏡検査で使用する処置具は内視鏡本体以外はすべて使い捨ての器具を使用しております。また、内視鏡本体も検査ごとに1回1回洗浄・消毒を徹底しておりますので、安心して検査を受けていただけます。